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Seven Samurai

先にアップしたエントリにkazkさんより次の様なコメントを頂いた。

 

Commented by kazk さん

宮崎駿という人が戦争オタクだということは知る人ぞ知る事実です。戦争オタクが別に戦争を嫌ったってちっとも構いません。通常の軍人は戦争が嫌いです。苦労はしたくないですからね。

 

この人、問題なのは過去の経緯をすべて知りその上で物言ってるだろうということです。だから馬鹿ではありえない、嘘つきだということです。

 

今度は堀越二郎、ということですがそこまで言うならこういて欲しいくらいです。零式艦戦の卓越した性能が海軍に戦争を決意させ、敗戦に導いたのですと…

 

これは冗談ではありません。海軍がある程度以上できると踏んだから戦争に走ったのです。その意味では罪作りといってもいい。零式艦戦についてはそれを作った人ばかりではない、それを運用した人が超一流だったのです。彼らがもし米独にいたならば皆おそらく佐官級以上になっていたでしょう。それが出てこないだけで敢えて2流とは言いません、片肺でしか無い映画だろうということです。

 

もちろん日本の敗戦に堀越二郎の罪はありません。まともな後継機を実用化出来ず、さりとて代替案も出せずズルズル戦争に負けた指導者たちの問題です。歴史を見ればいい、もっと真面目にやれ!と言いたくなるのは小生だけでしょうか。

 

宮崎駿がもし自分の認識に誤りがないというならば、この時点でこの映画の視点も含めて大問題でしょう。

http://dale-alv.iza.ne.jp/blog/entry/3135820/

 

 

そのコメントを読んで思い出した映画がある。





ご存知の様に黒澤明監督作品「七人の侍」である。このストーリーの概略は・・・

 

【日本の戦国時代を舞台とし、野武士の略奪により困窮した百姓に雇われる形で集った七人の侍が、身分差による軋轢を乗り越えながら協力して野武士の一団と戦う物語。】

 

・・なのであるが・・・

 

歴史学者に言わせれば、映画に描かれている様に百姓の村が盗賊化した野武士に一方的に襲われる、百姓が「侍を雇う」なんてことはないのだそうだ。

 

動画にも描かれているが、当時の百姓は色々な手立てで武装もしていたし、半農半武と言うことも常識であり、それ以上に支配下においた百姓を武士達が守らなかった筈がないからである。なにせ百姓は「米」を作る、その米は戦国武将達の扶持、俸禄なのだから・・・それをみすみす盗賊に持っていかれると成れば、それこそ武士達の面目丸つぶれであり武士の生活が成り立たない。

 

まあそこら辺を巧い具合いに脚色し、娯楽映画として作り上げたのは「流石は、黒澤明」といえる。いや「映画・フィクションと割り切った」と言うべきであろうか?kazkさんのコメントに出てくる「映画監督」とは大違いである。

 

問題なのは、この作品以後の映画、テレビドラマの時代劇が「百姓=搾取される側」「侍・武士=搾取する側」と成ってしまった事である。「百姓=搾取される側」「侍・武士=搾取する側」という時代劇を、毎日毎週見せられたら如何になるだろうか?

 

kazkさんがコメントで指摘したのも、この部分であり、ましてや「政治」に歴史や社会的に影響力が大きい自分たちの映像作品を利用するのだから尚更なのである。

 

 


by urano-sakura | 2013-07-20 14:14 | 政教分離
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